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4年ぶりの中島みゆきコンサート。初日公演に行って来た。コロナ禍で途中中止となった前回のラストツアー「結果オーライ」では、運よく東京での2公演を観ることは出来たが、全国ツアーはやはりあれで終了で、今後は全国を回らないコンサートのみやっていくとのこと。今回は東京10公演、大阪6公演。前回が集大成的な内容で、珍しく有名曲を詰め込んだセットリストだったが、今回はきっとマニアックな選曲に戻るんだろうなと思うとゾクゾクして、公演前にパンフレットを買ったら、中に書いてあるだろう曲目を先に見るか、見ずしてドキドキ感を味わうか、あーでもない・こーでもないと脳内は大騒ぎしていたが、なんのことはない、今回のパンフレットには曲目は掲載されていなかった(掲載されている時とされていない時があるのだ)。

 

前回のラスト曲「はじめまして」が今回のオープニング曲。これでテンションは上がったが、その後好きな曲が全く出てこず、ちょっと残念な気分になってくるも、次に期待!と心を持ち直す。ドラマ主題歌になった「倶に」も「銀の龍の背に乗って」も「慕情」も全く好きじゃないのである。前半(第1部)終了の時点では、後半に期待!と思っていたが、第2部の冒頭で「ミラージュ・ホテル」から始まる夜会曲連続5曲の選曲がこれまた「え・・・なんでこの曲?!」という感じで、僕の聴きたい歌は全く出てこない。最新アルバムからはまさかの2曲しか歌われず、切ないメロディーが秀逸な「噤」も「心月」も「天女の話」も聴けなかった。アンコール最後の「地上の星」をコンサートで聴くのは随分久しぶりだなと思って、過去の記録を見てみると、11年ぶりだった(ちなみにこの曲も僕はさほど好きではない)。

 

前回のコンサートからチケット代が一気に5,500円も値上がりして、16,500円になったが、バンドメンバーが大幅に増えたとか舞台のセットが格段に豪華になったというわけでもないので、その値上がりは何故だったのかは分からなかった(ストリングスが6名もいるし、バンドが大所帯で豪華なのは間違いないけれど)。そして、2001年以降、コンサートも夜会も皆勤賞だが、ここまで好きではない曲のオンパレードだったコンサートは初めてである!だからといって楽しめなかった、というわけではこれまたなく、これまで聴き流していた「店の名はライフ」、まさか生で聴けるとは思っていなかった「病院童」、高校生の時によく聴いていた「ひまわり "SUNWARD"」はとても良かったし、全体的に「中島みゆきの生歌」というのは凄まじいし、それを生トークと共に間近で聴けるというのは有り難いことだと思っている。

 

・・・そして、途中、ふと八代亜紀さんを思い出して、泣きそうになってしまった💧命あってのステージ。きっとまだまだ、こうして、ずっと歌い続けたかっただろうなぁ、と思うと同時に、沢山の楽しかったステージが思い出されて、みゆきさんが元気で歌っている姿を観ながら、思わずグッときてしまった。みゆきさんには長く長く歌っていてほしい。

 

中島みゆきコンサート 歌会 VOL. 1

2024年1月19日(金)東京国際フォーラム ホールA

 

01. はじめまして
   ―MC―
02. 歌うことが許されるならば
   ―MC―
03. 倶に
04. 病院童
05. 銀の龍の背に乗って
   ―MC―
06. 店の名はライフ
   ―MC―
07. LADY JANE
   ―MC―
08. 愛だけを残せ

 

〜お便りコーナー〜

 

【休憩】

 

09. ミラージュ・ホテル
10. 百九番目の除夜の鐘
11. 紅い河
12. 命のリレー
13. リトル・トーキョー
   ―MC―
14. 慕情
   ―バンド紹介―
15. 体温
16. ひまわり"SUNWARD"
   ―MC―
17. 心音

 

【アンコール】

18. 野ウサギのように
19. 地上の星

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今年は最前列の席を取ることが出来た。京王プラザホテルは、スタッフの対応も料理もとても良い。有名ホテルでの高額なディナーショーだとしても、ディナーショーの料理はイマイチなことが多い。コストを安く抑えたやっつけフルコースで、ワインは不味くて飲めたものではない、というパターンは珍しくないのだが、京王プラザは料理は◎である(ワインはイマイチだが)。ディナーショーに料理の質を求めちゃいけないと言われるが、都内一流ホテルのディナーショーともなると4〜5万円はするのだから、やはり料理はなんとかしてほしいもの。その点、(しつこいが)京王プラザは満足度が高い。

 

肝心のショーは、今回の選曲が全くもって僕好みではなかったが、コアなファン向けに「カレリア」が歌われたことで全てが帳消しになる。この曲は89年にフィンランドで(オケのみ)録音されたアルバムの曲で、当時小学生だった僕は、遥か遠い北欧を夢見ながら繰り返し聴いたものだ。その後、かの地の悲惨な歴史を知って「カレリア」を聴くとますます味わい深く、今でもよく聴く1曲。今回生で初めて聴くことが出来て良かった(当時は田舎に住んでいたのでコンサートに行くなど夢のまた夢だった)。

 

そして、ある時期の騒動とコロナ禍によって封印されていた客席巡りが今年ようやく復活し、握手することが出来た。「握手なんて別にいいや」などと始まる前は思っていたのに、自分の近くに来た途端、自ら手を出して大感激している僕。広い会場をくまなく回ったので、3曲(Blue Rose〜嵐の素顔〜Blue Velvet)だけでは回り切れず、急遽「Jaguar Line」を追加で歌うサービスあり。会場は非常に盛り上がった。握手回りをすると、歌唱がなおざりになりがちなので、その点ではマイナスなのだが、どれも僕が聴きたい歌ではないので(定番のヒット曲は聴き飽きているので、ライブで聴きいとはあまり思わない)、「客席巡りの間に歌うならまぁいいや」と思ったものの、でも4曲丸々真剣勝負の歌じゃないということを考えると、果たしてそれはどうか・・・とも思うし、でも特大ファンサービスでもあるので、それはそれでアリ!とも思うのであった。

 

カバー曲の「誕生」(中島みゆき)は、イマイチだった。いろんな歌手がカバーしていて、生で聴くカバーはこれで3人目(坂本冬美、クミコ、そして工藤静香)で、その中で坂本冬美さんは迫力満点(声量のことではない)で良かったものの、中島みゆきさん本人の凄まじい歌唱を生で聴いているので、やはりどのカバーも毎度ガックリ・・・となるのである。どの歌手のカバーも、肝心なサビの「Remember〜」のところがご本家と比べると弱いのだ。んじゃあ自分が歌ってみろ、と言われたら、それはもちろん歌わないのだけど。そんなわけで、あまりこの曲のカバーは、好きな曲だけに、聴きたくない。

 

そして今年発表した新曲3曲はどれもイマイチなので(辛辣な僕)、やっぱり80年代から2000年代初頭にかけての、いわゆる昔の歌(今より圧倒的に良曲が多かった)をもっと歌ってほしいと思うのであった。

 

とはいえ、オリコン1位ながらほとんど知られていない「Please」と「カレリア」を生で聴けて、更には握手のサービス付きで、45,000円の価値があったと思える、満足度の高いディナーショーであったことは間違いない。

 

 

■セットリスト

 

01. 声を聴かせて
02. Please
03. 孤独なラプソディー
―MC―
04. 誕生【オリジナル:中島みゆき】
05. カレリア
―MC―
06. Blue Rose
07. 嵐の素顔【感受Ver.】
08. Blue Velvet【感受Ver.】
―MC―
09. Jaguar Line(東京公演のみ急遽追加)
―MC―
10. 勇者の旗

 

【アンコール】

―MC―
11. Ice Rain
―MC―
12. 香雪蘭〜好きより愛してる〜

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かつては美声と歌唱力に定評があった、とある往年のスター歌手たち。今や「えっ!」と思う程声も出なくったにも関わらず、原キーにこだわってキーも下げずに歌うものだから高音は出ない。あんなに伸びやかだった歌声も、今は変なところで切れるくらいに伸びない。声量もない。だけど、それらを凌駕するかの如く、それはそれは高らかに、全盛期よりも遥かに大きく、まるで執念のように鳴り響かせているのが、ビブラート。ぐわんぐわん上下に揺れながら、ドスを効かせた、恐ろしいビブラート。ビブラートって、声の衰えを隠す為に使うものだったのか?「ビブラートこそが正義だ!」と言わんばかりの、メロディーよりも自己主張の激しいビブラート。なぜ、声が出なくなった往年のスター歌手たちは、こぞってそんなビブラートを使いだすのか、はたまた、なぜそんな聞き苦しいビブラートでごまかそうとするのか、毎度疑問に思う。とあるベテラン歌手など、ボイトレの時でさえ、激しいビブラート付きだった。

 

谷村新司さんが亡くなった後、幾つかの番組で追悼特集が組まれていたのを観ながら、谷村さんは若い頃から晩年まで、ビブラートはとても美しく耳心地の良いものだったと改めて思った。石川さゆりさんは演歌歌手にしては稀有なノンビブラート唱法で、ほとんどビブラートを使わずまっすぐに伸ばす歌い方で成立している。ビブラートを使うならば、ちょっとした味付け程度が良い。むしろそうであるべきだと僕は思っている。

 

 

さて、シャンソン歌手クミコさんのコンサートに行って来た(今回で3年連続)。代表曲「わが麗しき恋物語」などに見られる、さりげない歌い方で人の感情に訴えかける唱法では、右に出る者はいないと思う。御年69とのことだが、歌声は全く衰えがなく、声量もあってスゴイと思う。基本的にビブラートもそんなに強くない歌い方なのに、今日はちょっと強めだった。特に中島みゆきさんの「誕生」をはじめ、幾つかの曲に関しては、メッセージ性の強さを押し出したいのか、ビブラートも声量も目一杯ぐわんぐわん、それプラス譜割りも変えまくって、全く感動しなかった。ベテランになると、やっぱり強調したいところはビブラートも声量もやりすぎなくらいに強くなり、メロディーも変に崩したりして譜割りを変えてしまう人が本当に多いと思う。カバーに至っては「ちゃんとオリジナル聴いてる?聴いてないなら譜面見て!」と言いたい。テクニックを駆使するのではなく、正直にまっすぐに歌ったほうが、より伝わるというのに・・・。谷村さんは本当にその辺、変えない人だった。「歌い方は変えません。聴く人がガッカリしてしまうから」などと言いながら、変えまくる歌手のなんと多いこと・・・。崩したり、譜割りを変えて歌うの、大反対なのであります。

 

脱線してしまったが、というわけで、一昨年と去年のコンサートに比べると感動が今ひとつだった。が、今回のゲスト瀬間千恵さん(シャンソン歌手)の歌が思いのほか凄くて感動した。89歳とは思えない歌声だった。特に「倖せな愛などない」という歌。歌い始めの「全てむなしい人生 力も弱さも心さえも 愛に 腕を開いても それは影の十字架」というフレーズからやられてしまった。そして、「人は武器のない兵隊 運命の捕虜に等しい 朝が来たとて何の役に立つだろう」と、救いのない歌詞が続くが、

 

苦しみのない愛などない

傷つかぬ愛などない
挫けぬ愛などない
愛はすすり泣く夜のユニゾン
涙を知らぬ愛などない
倖せな愛などない

 

印象的なフレーズが瀬間さんの独特な歌声と相まって胸を打つ。帰宅してYouTubeで検索したら、だいぶ若い頃の映像があった。

 

 

そして、若い頃のライブ盤(銀巴里録音)が復刻されていたのでAmazonで購入した。こういう古いシャンソンは、もう廃れていくのかと思うと寂しいなぁ〜とも思うが、本国フランスでももはや忘れ去られているのだろう。

 

クミココンサート2023 わが麗しき歌物語 Vol. 6

〜銀巴里で生まれた歌たち・・・時は過ぎていく〜

2023年11月25日(土)有楽町・I'M A SHOW(アイマショウ)

 

【第1部】
01. 私の猛獣狩(笠置シヅ子)
02. 誰もいない海(越路吹雪)
03. サンフランシスコの6枚の枯葉(ムルージ)
04. 愛の追憶(ダリダ)
05. 誕生(中島みゆき)
06. 愛しかない時(ジャック・ブレル)

 

【ゲスト・瀬間知恵コーナー】
07. マンダレイ・ソング(ロッテ・レーニャ)
08. 倖せな愛などない(ジョルジュ・ブラッサンス)
09. 貴婦人(バルバラ)

 

【第2部】
10. 人生はキャバレー(ミュージカル)
11. 広い河の岸辺(スコットランド民謡)
12. フローズン・ダイキリ
13. 時は過ぎてゆく(金子由香利)
14. ヨイトマケの唄(美輪明宏)
15. UNOー誰が悲しみのバンドネオン
16. わが麗しき恋物語(バルバラ)
17. 幽霊

 

【アンコール】
18. 愛の讃歌(エディット・ピアフ)
19. 明日があるさ(坂本九)

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6年ぶりに「工藤静香ディナーショー」に行って来た。新宿にある京王プラザホテルでのディナーは、サービスも料理の質も、ディナーショーにしてはかなり良い方だと思う。飲み物もスパークリングワインがあるし。ディナーショーは高額な割に、料理には期待しちゃいけないのだが、このホテルの場合はそれなりに満足できる。

 

そして今回は何よりも、席が良かった!前から2列目のテーブル!!

 

 

ステージ間近。

 

ディナーショーは通常のコンサートよりもかなり楽しいと思う。ちょっと贅沢な雰囲気だからだろうか。最近の工藤さんのコンサートは、ホールで聴くと以前よりも歌がサラーっと流れていく感じであまり満足出来なかったのだが、ディナーショーだととても満足出来る。今回はソロデビュー当時に発売されたアルバムやシングルB面のレア曲もあり、とても懐かしかった。ヒット曲はリアレンジ・バージョンで、やっぱりオリジナル版がベストだと思いつつ、生で聴くとまた味わいが異なった。それにしても「慟哭」の歌詞は改めて聴くとなかなか辛い歌だ。

 

「Jaguar Line」で歌詞を間違えて、そのお詫びにアカペラで「パッセージ」と「Again」を一節。「糸」もワンコーラスほど。そしてアンコール最後「Door」の2番の途中で泣いてしまい、その後ほとんど歌えなくなってしまうという珍しいハプニング。この曲で終わりのはずが、これでは終われないということで、会場のリクエストに応えて「きらら」をワンコーラス歌って終了(その前にアカペラで珍しく「引き潮」の一節もあり)。

 

今年は35周年で、コンサートはチケットが取れなかったけれど、ディナーショーに行けてとても良かった。歌も満足!!

 

《セットリスト》

01. 恋一夜

02. 心のチカラ

―MC―

03. X'masがいっぱい

04. 雨夜の月に

―MC―

05. 慟哭

06. MUGO・ん…色っぽい

07. 禁断のテレパシー

―MC―

08. Jaguar Line

09. Blue Velvet

10. 嵐の素顔

―MC―

11. 雪傘

 

アンコール

12. 夜明けに見送られて

13. Door

14. きらら(おまけ)

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この1週間で2本のコンサートを聴きに行った。まずは、11月4日の「高嶋ちさ子と12人のヴァイオリニスト」。

 

 

両親が「高嶋ちさ子とSuper Celist」のコンサートに行って、いたく感激していたので、ならば!と僕もサントリーホールのチケットを買った。運良く3列目の席を取ることが出来たので、迫力満点。やはりステージに近い方が、生楽器の音を直に聴くことが出来て、感動も増すというもの。コンサートは想像していたよりも良かった。全体の構成がとても良く出来ていて、全く飽きさせないし、12人のヴァイオリニストも、最初は誰が誰だか分からないのだが、ひとりひとりの個性が少しずつ分かるようになっていて、最後のほうには全員に愛着がわく程、高い満足感が得られた。そして何より13人のヴァイオリンの演奏は迫力があるし、とても美しい音色に心が満たされた。

 

そしてお次は、11月7日、クミコさんのコンサート。

 

 

近年、僕のライブでは演劇要素も取り入れているので、歌手のコンサートで芝居が入っているような公演にはちょこちょこ行っているのだが、どれも満足出来ずにいる。クミコさんのコンサートに俳優の篠井英介さんがゲスト出演すると知り、「ということは、芝居コーナーがあるのかな?」と勝手に想像し、発売初日にチケットを買い、7列目のど真ん中をゲット。ところが、篠井英介さんという人は実は演劇で女形をやっている人で、今回のコンサートで久しぶりに女形として歌を歌う、ということをチケット購入後に知り愕然。そもそも、歌舞伎や踊りの世界ではなく、現代演劇で男性が女性の格好をして、女性として演じたり歌ったり、というコトに全く興味がないので、それだったらコンサートには行きたくない、、、と思ったものの、チケットのリセールは出来なかったので、これも何かの縁だと思い、行くことにしたのだ。

 

元々クミコさんの歌には興味があるので、コンサート自体を楽しもうという気持ちで行ったところ、これがこれが、予想を遥かに上回るコンサートだった。生で聴くクミコさんの歌は、とても上手いし感動的。テレビやCDで聴くよりも断然に。すっかりクミコワールドに引き込まれた。1曲1曲がドラマティックで、短い芝居を観ているかのようだった。篠井さんの女形にはやはり興味が持てず、歌われた3曲も好みではなかったが、その後クミコさんが歌われると、やはり段違いに上手いと感じてしまう。さすがの一言だった。選曲もとても良かった。

 

■セットリスト

 

【第一部】

01. 百万本のバラ
―MC―
02. 人生のメリーゴーランド
03. フローズン・ダイキリ
―MC―
04. 時は過ぎてゆく
05. 十年
06. 時は流れて
―MC―
07. あなたはスーパースター
―MC―
08. 窓
09. 1000のバイオリン
10. チューリップ

 

【第二部】

11〜13. 篠井英介コーナー

14. チャイコフスキー
―MC―
15. アプレトワ
16. 愛の讃歌
―MC―
17. 夢の中に君がいる
―MC―
18. ボンボヤージュ
19. 妻が願った最期の「七日間」
―MC―
20. 幽霊

 

【アンコール】

21. 愛しかないとき
22. ケ・セラ

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オペラシティにフジコ・ヘミングのコンサートを聴きに行って来た。自然光を取り入れ、天井が高くて開放的な、客席数約1,600のコンサートホールは満席。日本で注目されてからもう20年以上も経つのに、一過性のブームで消えてゆく人も多い中、その人気はまるで衰え知らず、88歳になる今も国内外で数多くのコンサートをこなしているというのは、本当に凄いことだと思う。ショパンの「革命」などを聴いていると、ただパワフルにダイナミックに、という奏法ではなく、フジコ・ヘミングの優しさが加味されて、とてもドラマティックでロマンティックな曲に聴こえる。それがやはり、他の人にはない持ち味なのかなぁと思う。

 

足を悪くしているのか、杖をついて、スタッフに支えられながら歩いているので、気をつけて旅公演をこなしてほしい。今回は、1曲目の後と、アンコールの時に、珍しくマイクを通しての挨拶があった。アンコールの曲紹介前に「ジメジメとした天気で体調が良くないので、今日は沢山間違えました」という自己申告に笑いが沸き起こった。以前もテレビで「よく間違える」「間違ってもいい」と言っていたのを覚えているし、確かにちょっとした気にならない程度のミスタッチにも気づいたけれど、それを自分で「沢山間違えました」と申告するところがチャーミングで可笑しい。そこも魅力のひとつ。ぜひトークショーも開いてほしいくらいだ。でも、「体調が良くない」という一言も気になってしまう。コンサートのスケジュールを見ると、6月だけで全国で10本もある。不遇の時代が長かっただけに、引っ張りだこの今は、きっと1本1本のコンサートで心を込めて演奏していると思うけれど、年齢のことを考えても、その精力的な活動は「凄い!」とも思うし、勝手に心配にもなってしまう。でもそれが生きがいでもあるんだろうなぁ。などと、あれこれ勝手に想像している。

 

フジコ・ヘミングのコンサートはこれで3回目だけど、やはり「ラ・カンパネラ」は圧巻(特にクライマックスの部分)。至福の音に酔いしれる贅沢な時間に感謝したい。


■シューベルト
 ・即興曲第3番 変ト長調 4つの即興曲 作品90

■ショパン
 ・ノクターン 変ホ長調 作品9-2
 ・エチュード 変イ長調 作品25-1「エオリアンハープ」
 ・エチュード 新練習曲 第1番 ヘ短調 遺作
 ・エチュード ハ短調 作品10-12「革命」

■モーツァルト
 ・ソナタ 第11番 イ長調「トルコ行進曲付き」作品331
   第1楽章 主題と変奏−アンダンテ・グラツィオーソ
   第2楽章 メヌエット
   第3楽章 ロンド“トルコ風”−アレグレット

 

【休憩】

 

■ドビュッシー
 ・月の光 「ベルガマスク組曲」より 第3曲

■ラヴェル
 ・亡き王女のためのパバーヌ ト長調

■リスト
 ・ハンガリー狂詩曲 第2番 作品244 嬰ハ短調
 ・春の宵 作品568 〜原曲/シューマン歌曲 Op.39-12〜
 ・巡礼の年 第1年 スイス「泉のほとりで」作品160
 ・3つの演奏会用練習曲 第3番「ため息」作品144
 ・パガニーニによる大練習曲 第3番 嬰ト短調「ラ・カンパネラ」作品141より

 

【アンコール】

 

■ベートーヴェン
 ・ソナタ 第17番「テンペスト」Op.31-2 ニ短調 第3楽章

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14日、明治座に「坂本冬美芸能生活35周年記念公演 泉ピン子友情出演」を観に行ってきた。あの日は、朝から雨の予報。天気予報では当初、午後には止むようだったのに、止むどころかどんどん雨足が強くなり、雷はゴロゴロ、自宅から駅までの道中で既にびしょ濡れ。3週間の公演の中で、なんで選んだこの日に限ってこんな天気・・・日頃の行いの悪さがこういうことに繋がるですねぇ〜。などと自らに腹を立てながら、明治座に着いた時には小雨。そういうもんだよね〜。まったく!!

 

第一部は芝居、第二部が歌のショー。座席はなんと、最前列中央。もちろん、5列目とか、もう少し後ろとか、もっと見やすい席、音のいい席はあるのだが、最前列中央が一番好き。だというのに、だのにも関わらず、第一部の芝居で相変わらずコックン・コックンやる僕。暗い映画館や劇場での芝居鑑賞中、寝る確率9割。でもですよ、13,500円の席で(しかも最前列中央)、寝ますか?僕は寝ちゃうんですね〜。寝ると損した気分になって落ち込むので、今日こそ寝ない!と思うものの、いつの間にやら、なのである。30分が経過した頃、ふと眠くなったので「危ない危ない」と気を引き締めたのだが、次に気がついた時には幕が下りる30秒前だった。約70分の芝居中、30分程寝ていたと思われる。ストーリー上、一番重要な流れを全く覚えていないのだから。

 

今回のS席には弁当が付いていて、40分間の休憩時間には食堂でそれを食べることが出来る。弁当の内容に申し分はなく、ちょっとした贅沢な気分だったが、芝居中の多くを寝て過ごしたことに落ち込みつつも、でもこれは歌手の公演、第二部の歌のショーこそメイン、そっちを思いっきり楽しもうと気を立て直す。その第二部、もちろん知っているヒット曲のオンパレードなのだが、僕も一応、ステージでパフォーマンスをする身、CDじゃなく、DVDじゃなく、なぜ「生」の舞台を人は観に来るのか、なぜ「生」にお金を払うのか、「生」じゃないといけない理由は何なのか、改めて考えてしまう。「坂本冬美」の歌は絶品である。誰と比べなくても如実である。途中事務所の後輩が出てきて2曲歌うのだが、そのパフォーマンスを目の当たりにすると、いかに「坂本冬美」という歌手が只者ではないかを知らしめられる。その後輩歌手だって容姿は悪くないし、歌もとても上手。だが、「だから何?」と問いたくなるくらい、アピール度もなく、歌がただただ流れていくだけ。・・・そしてようやく「坂本冬美」が再登場すると、ああやっぱり圧倒的な歌の力。また衣装替えで捌けて、新曲「ブッダのように私は死んだ」のイントロが流れ、セリから登場してきたのは、なんと泉ピン子様。そこでひとときの「ピン子トークショー」。さすがの元漫談家。そんじゃそこらの芸人が100人で立ち向かっても敵わないと思う、そのトークの面白さ。もっと聞きたいと思わせながら、退場し、今度こそ冬美様の「ブッダのように私は死んだ」が披露される。絶望的にイイ!

 

帰宅後、じわじわと感動が蘇る。こんなに心を動かされるのは久しぶりだ。と同時に、眠りこけた芝居に未練が迫り、「明日も行こうかな」と思うが、13,500円のチケットをまた買うのは贅沢すぎる・・・と諦める。いやしかし、3階席(A席)なら6,500円。しかも直前割引チケットなら3,500円という安さ(ただし見切れあり)。行こうかな・・・やっぱりいいや。諦めたはずだったが、翌日、更に感動と未練が襲ってくる。「明日は千秋楽。きっと特別なことをやってくれるだろう」と思い、明治座のサイトを見るとA席はすでに売り切れていた。ガッカリしたのだが、電話をしたら一席空いているというので、即座に予約してしまった。

 

というわけで、千秋楽、僕は再び明治座へと赴いたのである。感動が約束されているのでウキウキ。明治座に着いてチケットを受け取ったら、なんとそこには坂本冬美さんのモノマネをする坂本冬休みさんが取り巻きに囲まれていた。いかに冬休みさんのモノマネが面白すぎるのか、いかに感銘を受けているのかを絶対に伝えたくて、タイミングを見計らって声をかけた。八代亜紀さんが好きだと話したら、目の前で八代さんのモノマネをしてくれた。そして「今日の第二部に出演する」とナイショで教えてくれたのであった。これだけで大感激。

 

かくして3,500円の席は、たしかに見切れ席で、しかも手すりが視界に入るという悪席。やっぱりもう一度S席にすればよかったかなぁ〜と思ってしまう。でも、芝居を楽しみ(今回はさすがに寝なかった)、歌を楽しんでいたらそれも気にならなくなった。案の定、千秋楽は出演者の挨拶があったり、冬休みさんのコーナーがあったりと、30分以上も時間延長されてとってもお得だった。それゆえに「やっぱりS席で観たかったなぁ」と思った。そしてなんと言っても、今回シークレットゲストで登場した二葉百合子さんが2曲も歌ったのだが、10年前に引退したとは思えない、しかも今年90歳になるというのに、声が全く衰えておらず、ただただ驚いた。ハリとツヤがアリアリで、一体全体、どうやったらあの声が90歳まで保てるのか、きっと歌手なら誰もが知りたいトコロであろう。そんじゃそこらの人気歌手よりも迫力のある歌声だった。

 

今回もうひとつ驚いたのは、会場を埋め尽くした高齢者の方々の元気の良さ!杖をついて一人でも観に来る人がいたり、このコロナ禍にこんなにも大勢、元気にやって来るなんて、感動してしまった。田舎で、杖をついた高齢者がひとりで劇場に来るなんて、考えられないなぁと思った。都会の人は交通の便の良さ、そしてエンターテインメントの多さ、その点ではとても恵まれているなぁとしみじみ思った。元気なおじいちゃん、おばあちゃんたちを見ているだけでも、感動と元気と勇気をもらった気がする。本当に良い時間だった。

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気が付けばアッッッッ!と言う間に今年も2週間近く経っていた。年末年始はここ数年、毎年恒例の家族旅行で今年は金沢に行って来た。1泊目はベタに加賀屋旅館(料理はとても美味しかったけれど、全体的には普通の団体向け旅館という印象)、2泊目の滝亭がすンばらしく良くて良くて・・・良くて。建物の綺麗さ、部屋の広さは言うまでもなく、庭の美しさ、センス、そして多大なるおもてなし(部屋には総額数千円は下らないお菓子やコーヒーやお茶が用意されていた)に大・感・激。料理はもう、言うまでもない。全員一致で大のお気に入り旅館になった。

東京に戻ってからの僕は、いつもの忙しさに戻った。頭の中は常に6月7日のコンサート。新曲を作らねばならず、せっせこやっているが、思うようにいかず悪戦苦闘中。まぁこれはいつものことだ。いつも悪戦苦闘しながら、結局ちゃんと作っているのだから、と自分を信じることにする。仕事、筋トレ、音楽活動の3本柱で日々動いている。年中筋肉痛が「通常」である僕にとっては、筋肉痛がない時が気持ち悪い。トレーニングといえば筋肉だけでなく、声のトレーニングも昨年末から再開し、芸大卒の先生に教わっている。先週土曜日もボイトレだったが、本当に、目からウロコ。これまでとは全く違うメソッドだし、1曲の中での声の使い方についても、これまで指摘されたことがないことを言われるので、それがとても新鮮であり、未来への希望でもある。

さて今日は、ピアノの荒武さんとのリハの後に予定していた新年会が来月に延期になり、夜の予定が空いたので「そうだ!中島みゆきコンサートに行こう!」と思い立った。しかしですよ、天下の中島みゆき様のコンサート、そう簡単には行けるものではありません。毎回毎回チケットは即完売の争奪戦。とはいえども僕は2001年から、コンサートと夜会には欠かさず行っている。今年は「ラスト・ツアー」と銘打っていて、今後東京でのコンサートや夜会は行うけれど、地方を回る全国ツアーは今回が「最後」ということもあり、例年になくチケットは取り辛くなっている。僕はいつも、申込が集中する初日や楽日、はたまた土日は避けて、平日公演を申し込むようにしていて、今年は2月の東京公演(NHKホール)のチケットをファンクラブ経由で押さえることが出来た。



中島みゆき様のコンサートや夜会は、例外なく「即完売」するが、毎回必ず「当日券」も用意されている。そこで、今回ふと、初めて「初日公演」を体験してみようと思ったのだ。それで今朝10時からネットで販売開始の当日券にトライしたところ、運良く取れた!!信じられない!!しかも当日券は関係者席や招待席などの解放分が回ってくることがよくあるので、結構いい席だったりするのだ。実際今回は1階席20列目のセンターというなかなか嬉しい席に当たった。(ファンクラブで取っても2階席ということもよくあるから)

いつもセットリスト情報を得てからコンサートに行っていたが、今回は全く何も知らない状態で、次何を歌うのか、というワクワク感を楽しもうと。中島みゆきコンサートは、大ヒット曲はほんの2〜3曲程度で、他はアルバム曲など、ファンしか知らないような曲がズラリと並ぶのが常だが、今回は「ラスト・ツアー」という特性上、これまでの集大成で有名曲ズラリ、という情報があったので、ある程度は覚悟していた。みゆき様のコンサートに限らず、僕はあまり、ヒット曲オンパレードのコンサートは好きではないのだ。ヒット曲は耳にする機会が多いから、なるべく、耳にする機会の少ない歌を生で聴きたいというワケ。とはいえ今回は仕方ないと腹を括っていた。でも意外や意外、アルバム曲も多かったし、確かにいつもよりは遥かにヒット曲の割合が多かったけれど、「時代」「空と君のあいだに」「地上の星」といった特大ヒット曲は外されていた。

なかなか選曲されない「レア曲」が今回はなかったけれど、やはりみゆき様の歌のパワーのスゴさを再認識したし、期待していた以上に楽しめた幸せな時間だった。2月も同公演を観ることが出来るけれど、こうして同じ時代に行きて、生の公演を観ることが出来る幸運を噛み締めた夜だった。

中島みゆき 2020 ラスト・ツアー
「結果オーライ」
2020年1月12日 新宿文化センター
≪セットリスト≫
01. 一期一会
―MC―
02. アザミ嬢のララバイ
03. 悪女
―MC―
04. 浅い眠り
05. 糸
06. ローリング
【お便りコーナー】
07. 流星
【お便りコーナー】
08. 最後の女神
09. 齢寿天任せ

〜休憩20分〜

10. 離郷の歌
―MC―
11. この世に二人だけ
12. ナイトキャップ・スペシャル
13. 宙船
【メンバー紹介】
14. あたいの夏休み
―MC―
15. 麦の唄  
16. 永遠の嘘をついてくれ  
―MC―
17. 慕情
18. 誕生

〜アンコール〜
19. 人生の素人   
20. 土用波
21. はじめまして
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前回のブログに書いた通り、クラシック・ピアノのコンサートに行きたくてたまらなくなった僕が、ふと思い浮かんだピアニストは小山実稚恵さんだった。ショパン・コンクールとチャイコフスキー国際コンクールの両方に入賞した唯一の日本人ピアニスト。僕が十代の頃、鶴岡にコンサートに来た時に初めて演奏を聴いたのだが、それまでに感じたことのない感動を覚えたことをハッキリと覚えている。何か凄い迫力だった。音が強いとか大きいとか、そういう単純なことではなく、音に込められた想いというか、客席に届くエネルギーが、明らかに他のピアニストとは違っていたのだ。興奮して帰宅したのを覚えている。一流演奏家の生演奏を聴くチャンスの少ない田舎で育った僕は、とにかく、コンサート、ミュージカル、演劇と、何かに触れる度に惚れてのぼせて帰るのが常だったが、小山さんの時は、さすがショパン・コンクール入賞者だけあってタダモノではない・・・と子供ながらに感じていた。

あれから25年以上が過ぎた。渋谷のオーチャードホールに行く度に「小山実稚恵ピアノ・リサイタル」のポスターを目にした。2006年から2017年まで毎年2回ずつの「12年間・24回リサイタル・シリーズ」を行っていたのだ。ちょっと興味をそそられつつ、いつか行こうと思いながら今日まできてしまった。再びクラシックに目覚めた僕が行きたいコンサートはもちろん小山実稚恵であり、検索したところ、2月に杉並公会堂でバイオリンとチェロとの三重奏、6月にオーチャードホールでピアノ・リサイタルがあることが分かった。今の僕の頭はピアノで一杯なので、他の楽器とのアンサンブルやオーケストラには食指が動かない。ならば6月のリサイタルで決まりなのだが、1月下旬の時点で「5ヶ月も待てない」と思い、思い切って両方のチケットを購入したのであった。

しかも杉並公会堂は自宅から自転車でも行ける距離。自転車でコンサートに行けるなんて気楽でイイ!僕が行っている美容院もその近くにあるので、コンサートの前に予約を入れた。自宅→美容院→コンサート→自宅、すべての移動を自転車で!と、思っていたところに「2月9日、東京23区も大雪の恐れ」のニュース。なんじゃー!!!この日に限って!!!仕方ないからバスか電車で行くしかないなぁ、と自転車は諦めていたのだが、結局雪降らず。やっぱりね〜〜〜。台風直撃だとか大雪だとか、最近の天気予報は煽るだけ煽って結局大したことなく終わる東京の天気。今回も降る降る詐欺であった。というわけで、もっこりと着込んで自転車を走らせたのであった。

ここ最近忙しくてちょっと疲れていたので、この日のコンサートを殊更楽しみにしていた。映画やコンサート、演劇では居眠り常習犯の僕、毎度胸が張り裂けるほどの後悔をすることになるのだが、今回は居眠りさえも贅沢な時間として許容しようと思っていた。贅沢ではないか、一流演奏家の音楽をバックにうつらうつらなんて!チケットを買うのが遅かったこともあり、席は2階席だった。そんなに大きなホールでもないので見やすいだろうとは思っていたけれど、来週行く「中島みゆき夜会」で最悪な席(僕が大嫌いなな2階席)を掴まされて、怒りにまかせて先日購入した双眼鏡を今回初めて持参した。席に着くと、プゥ〜〜〜ンと香水の香りが。隣のおじさんから。まったく、香水は控えてくださいよ。あんべわりぐなるぅ〜(庄内弁で「具合が悪くなる」の意)と心の中で悪態をつきながら、まぁでも、キツイ加齢臭とか体臭よりは断然いいか、と思い直す。と、ふと、「いや、この香りは隣のおじさんではなく、後ろのおばさまだろうか?」とも思えてきた。実際はどっちかは分からず仕舞い。

さて肝心のコンサートであるが、予想以上に良かった。今回はベートーヴェンのピアノ三重奏曲第7番「大公」とメンデルスゾーンのピアノ三重奏曲第1番で、まぁ正直言って僕が好きな曲調ではないことは最初から分かっていたのだが(激しいのが好きなのだ)、メンデルスゾーンの曲がとても美しいメロディーで甘美だった。思えばベートーヴェンもメンデルスゾーンも十代の頃発表会で弾いた(「悲愴」「プレストアジタート(無言歌集より)」)。また弾きたくなった。今度帰省したら楽譜引っ張り出して練習しよう!などと考えつつ、もしかしたら途中うつらうつらしたのかも知れないけれど(よく覚えてない)、やっぱり美しい音楽を一流演奏者の生演奏で聴くというのは、至極贅沢で心が洗われる優雅な時間であると改めて感じた。今度パリではオペラを聴きに行くし、6月の小山実稚恵ピアノ・リサイタルも今から楽しみ!!

終演後、サイン会があった。CDを買っていなくてもOKという太っ腹で、僕も列に並びプログラムにサインをしてもらった。小山さんには25年前に山形で初めて演奏を聴いて感動して、今日はその時以来であることを伝えた。他の2人(バイオリニストとチェリスト)にもサインを頂いたが、おべっかを使えない僕は何も言わなかった(サインに対してお礼は述べたけど)。分かりやすい僕。



【第一部】
ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲第7番「大公」変ロ長調 作品97
【第二部】
メンデルスゾーン:ピアノ三重奏曲第1番 ニ短調 作品49
【アンコール】
ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲第7番「大公」より第2楽章

ピアノ:小山実稚恵
ヴァイオリン:矢部達哉
チェロ:宮田大
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昨年に引き続き参加した中森明菜ディナーショー。会場はまたまたお台場のホテル。去年はヒルトンだったが今年はグランドニッコーで2日連続。お台場ではなく都心にしてほしい(心の声)。会場に入るととにかく広い!こりゃ後ろの席の人たちは見えないだろうなと思いながら、自分の席を探す。6番テーブルの座席番号43なので、最前列の右端。うわぁ、最前列の右端だと見にくいなぁ・・・と贅沢なため息を吐きながら席に着こうとしたのだが43番の席がない。よくよくチケットを見ると、なんと43番テーブルの座席番号6だった!ゲゲゲッ!!ちょうど真ん中あたり。50,000円もするこのチケット、今や五木ひろしディナーショー(51,500円)に次ぐ高額ディナーショーにもかかわらず(ちなみに松田聖子ディナーショーは49,500円)、東京2日間のチケットは即完売なので、ファンクラブで取れただけでもラッキーと言うべきか。

席に着くと「ディナーショー何回目?」と同じテーブルの人たちから訊かれる。今まで明菜のディナーショーを何回観たのか訊かれたのかと思いきや、“今年”何回目か?という質問だった。えっ、1回目ですケド・・・コンサートならいざ知らず、高額ディナーショーにそんな何回も行けません。しかし、4回目5回目、という人たちがわんさか。地方から来た、地方にも観に行った・・・皆さん熱狂的。しかしそんなことで驚いちゃいけない。中には14都市18公演、全て観たというツワモノもいるのだとか!しかも若い中国人らしい。恐れ入ります。地方だと安くて42,000円、平均45,000円程もするチケット、2回観ただけで10万近いし、それに交通費と宿泊費・・・考えるだけで恐ろしい!

と言いつつ、僕は去年、中森明菜ディナーショーと工藤静香ディナーショー(京王プラザ)とで、ディナーショーに2回行ったわけだが、さすがに今年は観念した。というのは、食事のこと。5万円のディナーショーだからといって、決して豪華なディナーが出てくるわけではないということ。確かに一流ホテルのフルコースではあるが、5万円のディナーショーとはいえども、そんなに美味しくはないし、なんといっても飲み物があまりにも粗末。スパークリングワインは除外され、ワインは見るからにボトル1本の原価数百円の超安物ワイン。去年の京王プラザはスパークリングあったし料理は美味しかったこと、更に遡り、かつて2万円代のディナーショーに行った時の料理を総合して考えると、5万円も2万円も料理の質は同じ。ホテルによって多少の差がある(京王プラザは素晴らしい!)。ということは!高額チケットの配分、言わずもがな、歌手側にガッポリ行くわけだ。なーんてこと、周囲の人たちにとっては「当たり前のこと」のようで、そもそもディナーショーの料理に期待すること自体が間違っているらしい。要は、ショーが主体なのだから!

というわけで、僕はワインは一切飲まず、ビールだけに留めておき、開演直前にトイレに行ったにも関わらず、開演直後に尿意をもよおすという予想外の事件勃発。そして、食事中に同テーブルの人から聞いた、20年位前に行った明菜のディナーショーで最前列にも関わらず酒のせいで寝てしまった、という話に「信じられない!」と反応しておきながら、中盤で僕がウトウトしてしまうという大事件勃発!!5万円ですよ!しかも普通のコンサートより時間短いですよ!2曲程飛ばしましたね!?大馬鹿モンですよ!

確かに手を抜かないパフォーマンスは素晴らしかった。「去年の方が良かった」という声が聞こえてくるのは、そりゃ仕方ない。去年は何といっても7年振りだったし。ただ僕は、自分自身の大事件のせいで、あまり振り返りたくはない。来年リベンジします。あ、そういえば、地方の方が良い席取れると大プッシュされたなぁ。確かに地方のホテルの方が東京より規模が小さいし、ファンクラブ会員数も東京より少ないから、良い席で観るなら狙い目だ。考えよう。

AKINA NAKAMORI DINNER SHOW 2017 CLUB NIGHT
2017年12月25日(月) グランドニッコー東京台場
〜セットリスト〜

【新アルバム『明菜』より】
01. La.La.Bye
02. 雨音
03. Amar es creer
【ディスコカバー『Cage』より】
04. SWEET DREAMS
05. INTO THE NIGHT
06. CAN'T TAKE MY EYES OF YOU
07. CALL ME
08. BE MY LOVER
09. VENUS
【オリジナル・ヒットメドレー】
10. ひらり−SAKURA−
11. 飾りじゃないのよ涙は
12. Fin
13. BLONDE
14. GAME
15. TATTOO
16. ミ・アモーレ
17. 1/2の神話
18. DESIRE
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