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先日、昼にとんかつが食べたくなり、銀座のとあるとんかつチェーン店に行った。丁度昼時だったので、時間を間違えたかなと思いながらドアを開けたら、目を疑うほどガラガラ。広い店内に中国人らしき中年夫婦が1組しかいなかった。この店には以前も来たことがあり、だいぶ久しぶりではあったけれど、こんなに人気がなかった記憶がない。しかも銀座の大通りに面している昼時である。店選び間違えたかなと思いつつ、席についた。

しばらくすると、日本人ではないビジネスマン風のアジア人中年男性がひとり入って来て、僕の近くに座った。30代位の男性店員は、近年急激に増えた外国人客対応には慣れているのだろう、カタコトながらも英語で気後れすることもなく対応していた。スムーズに注文が終わり、料理が運ばれてきた時、店員はテーブルに置いてある3本のボトルを1本ずつ指差しながら、
「ソース、ドレッシング、ポンズ(ぽん酢)」
と、件のアジア人男性に説明していた。日本語で「ソース」と言えばウスターソース(もしくはとんかつソース)を指すが、英語の「sauce」というのは調味料全般を意味するので、醤油もケチャップもマヨネーズも「ソース」だし、広く捉えればドレッシングだって「ソース」の一部、テーブルに置いてある3つのボトルのひとつを「ソース」と言われて、果たして何のソースなのか疑問に思わないだろうか・・・と余計な心配をしていたら、そのお客さんが疑問に感じたのはソレではなかった。
「What is ポンズ?」
確かにそうだ。ソースもドレッシングも英単語ではあるが、ぽん酢は日本語である。なぜそれだけ何の説明もなしに唐突に日本語?と思いつつ、店員がどんな回答をするのか、耳をダンボにして聞いていたら、数秒「ああああ・・・」と考えた後、自信たっぷりに、
「ジャパニーズ・オイスター・ソース!」
と答えたのである。僕は一瞬、「エッ!ぽん酢って牡蠣(オイスター)が原料だったっけ?」と考えてしまった。しかし客の方はそれを疑うこともなく納得した素振りで頷き(そりゃそうだ。店員がそう言うんだからね)、店員も満足げな顔で去って行った。外国人客がよく来ることから英語での対応もしているのであれば、ぽん酢の説明も頑張ってくれりゃあいいのに。「柑橘類の果汁を用いた調味料」という言い方が思いつかなければ、せめて「ジャパニーズ・ビネガー」で乗り切って欲しかった。ぽん酢は決してオイスター・ソースではない。

この後も外国人客が数人入ってきてはいたものの、昼時とは思えない空席祭りだった。その原因は明らかで、料理(メニュー)が金額に見合っていないのであった。客の舌は正直だ。貴重な昼休みの時間、長蛇の列に並んでまでも食べたいと思わせる店があり(大抵大通りに面していない)、一方で、立地条件抜群でも閑散としている店がある。そして、客は思うのである。ドアを開けて客がいないと「あ、失敗したな」と。

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